一般消費者のお客様から寄せられる、雪華肉(加工調味牛肉)の加工・製法についてのお問合わせの中で、よく取り違いされているケースが多いので、こちらでご説明させて頂きます。
スーパー/量販店の店頭で見かけられる「サイコロステーキ」と「雪華肉」は、牛肉を材料とした加工品ですが、まったく違う製造方法の製品です。
いわゆるサイコロステーキは、結着肉と呼ばれる加工製法の製品で、真空状態の中で、牛肉の赤身の粗挽き肉と牛脂のペースト(もしくは粗挽き牛脂)と結着剤(糊剤)等(その他)混ぜ合わせ、型に入れて、固めた後
(凍結後)カットして製品にしたものです。
分かりやすく考えると、ハンバーグのパテの様なものです。
(卵、乳、パン粉の代わりに、結着剤をツナギとして使用していると言えば分りやすいでしょうか。)
その為、やわらかい状態で型枠さえあれば、丸でも、四角でも、三角でも、ハート型でも自由自在な形に整形出来ます。
一般のハンバーグのパテづくりと違う事は、空気中の雑菌を含んだ気泡の無い挽肉状態にする為に、真空状態の容器内で材料を練り混ぜる事です。
もともとが挽肉ベースの製品ですので、加熱後食べるとやわらかく噛み砕けます。その為、「やわらか加工牛肉」、「ソフトビーフ」、「結着牛肉」、などとネーミングされている場合もあります。また製品が赤白の挽肉の色から「霜降り加工牛肉」と呼ばれているケースもあります。
いっぽう雪華肉は、牛肉の大きな肉の塊(かたまり)に、牛脂ベースのホワイトソース風の調味液を、インジェクション加工という方法で肉の中に分散させてつくります。
その為、出来上がりのかたちは、ほとんど元の牛肉のかたちで、調味液が入る分一回り全体的に大きく出来上がります。
ヒレ肉の様にモトモトがやわらかい肉ならば、インジェクション加工後、多少は丸くしたりしてかたちを整える事は出来ますが。肉の繊維がシッカリしている部分は、強制的に強い力を掛けないと形はナカナカ変わりません。
雪華肉は、調味液に含まれる成分が肉中で分散した時に、肉の熟成現象を短期間に起こさせる事により肉質をやわらかくしています。
また、ホワイトソース調味液が冷却されて凝固する事により、肉の断面が霜降り肉の様な感じに見えます。(本物の霜降肉とは違います。)
雪華肉の調味液には、クエン酸などからだに良いとされるものや、出来る限り天然の材料を使用し、本来食肉として必要のない添加物を使わないで製品を構成するように勤めています。
現在の日本では高性能な食品添加物が、いろんな製薬会社や製剤メーカーから出されていますが、あえて雪華肉には出来る限り使用しない様にしています。
それは、その製剤製品の原材料表示に明記されない部分や、何を原料にして、どの様にその製剤や添加物が作られているか分らないからです。
確かにそういった高性能な添加物を使用した方が、楽をして製品の品質を上げる手っ取り早い手段かもしれません。しかし、当社ではそういった加工・製造を良しと致しません。
加工度の低い材料、または単純な天然の素材を材料としてつくっている雪華肉は、加工中の取り扱いがその分とても大変ですが、お客様に召し上がって頂く、より良い製品づくりの為には必要な事だと考えています。
雪華肉は、牛肉の熟成の原理を使って、肉質をやわらかくしていますが、前述の「サイコロステーキ」と比べ、牛肉としての食感があり、ハンバーグの様な食感とはまったく違います。より普通のやわらかい牛肉に近い肉の食感とお考えください。
未加熱の加工牛肉製品としてのカテゴリーがまだハッキリないので、「霜降り加工牛肉」、「やわらか加工牛肉」、「インジェクション加工牛肉」、「人口霜降り肉」など販売者側で様々な呼ばれ方をしています。
日本食肉加工協議会(当社含む)では、普通の霜降り牛肉や、他社の加工製品と区別をしやすい様にする意味で、商標を『雪華肉』としております。
簡単ではございますが上記内容にて、近年より一般的になってきています二種類の加工牛肉の違いをご報告します。
調味加工牛肉についてご存じなかった方、サイコロステーキと雪華肉は同様の製品と解釈されていた方、何卒上記内容をご査収の上、ご理解の事宜しくお願い致します。
★追伸
実は、私は未だサイコロステーキをお金を出して食べたことがありません。
ナゼ消費者に強く指示をされているのか分らないのです。
キット私の頭が固い イヤイヤ頭が悪いのだと思います。
どなたか価格に見合った美味しいサイコロステーキをご存知でしたら教えてください。
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